綿帽子の手帖 ~別館~

頼む!頼むから槇原敬之のこの神曲たちを聴いてくれっ!!

#67 夏のスピード

きたる1月20日の「大寒」に向けて、冬真っ盛り(?)の今日この頃。
 
まだマキハラ先生がラジオをやっていた頃、
よく「二十四節気」の話をしていたことを思い出します。
1年を24の変化に分けるというもの。。。今は「小寒」でしょうか。
さらにこの二十四節気を3つに分けて「七十二候」という分類もあるのですが、
季節の話は鉄板ですので、患者さんとのフリートークによく使わせてもらっております。
 
1年を72に分けると、5日ごとの変化となりますので、
何だかより季節を身近に感じられます。
マキハラ先生も季節を感じ表現する天才ですので、きっと同様なのかなぁ、とも思いながら。
ただ、ラジオの内容に関しては作家さんがいらっしゃるとは思いますけどね●
 
 
今年は新潟県及び、北陸地域は災害レベルの大雪に見舞われております。
通年でも雪が降る地域ですので、そのための備えというものはしているのですが。
それが大幅に想定を超える範囲での積雪量。
私の生息する新潟市なんかは、例年であれば積もっても30㎝とか、、、そしてすぐに溶ける。
今年は新潟市のすごいところでは100㎝を超える積雪があったようですので恐ろしいです。
新型コロナウィルスも恐ろしいですが、雪も恐ろしい。
週明け、また寒波がやってくるようなので、今から覚悟を決めております。
 
そうです、そんな冬真っ盛りの本日。
私は、長いモノに巻かれろ精神で日々過ごしている凡人ですが。
たまに反発してみたい、という思いもどこかにあり…
 
ということで、この季節と目の前の雪に反発してしまいました、本日の1曲。
 
 
 
『夏のスピード』
 作詞作曲編曲:槇原敬之
 
 
1992年5月25日に発売された5枚目のシングル「もう恋なんてしない」カップリング曲。
翌月の6月25日発売の3rdアルバム「君は僕の宝物」には未収録です。
そうなんです、、、アルバム未収録曲なのです。
昨年改めた、マキハラ先生の楽曲数ですがたんぽぽ毛統計によると、
シングルで初出となり、その後オリジナルアルバムに収録されていない
いわゆる「アルバム未収録曲」が9曲存在しています。
その9曲のうちの1曲が本日の「夏のスピード」です。
 
ただ、オリジナルアルバムには未収録でも、
マキハラ先生はこれまでに大量のBEST版を出しています●
なので、BEST版にはこの「夏のスピード」は収録されていたかと思いますので、
マニアの皆様にも馴染みのある1曲ですね。
(ちなみに2013年3月20日発売「春うた、夏うた。~どんなときも。」に収録済)
 
ただ、、、「もう恋なんてしない」って結構CD売れましたからね…
おそらく意外にも非マキハラ派の人々の耳にもこの「夏のスピード」は入っているかも?
まぁ、私はそうなんですけどもあまりファンではないとB面てほぼ聴かないんですよね●
1992年にシングル「もう恋なんてしない」を購入された方全員がB面を聴いているわけではないでしょう。
 
 
言わせてください、、、
 
 
 
 
もったいないっ!!
 
 
 
 
 
この「夏のスピード」、、、神曲よ?!
 
また始まったたんぽぽ毛の「”神曲”詐欺」。爆
いや、私は常に本心で書いておりますゆえ、異論がある方は
神曲ばかり作るマキハラ先生に言ってほしいものです、全く困ったものですマキハラ先生●
 
正直に言いますけども、私はA面の「もう恋なんてしない」より好きなんです。爆
もう恋は、王道中の王道の失恋ソング。
この「夏のスピード」も失恋ソングなんですけども、何かどこか陰のある憂いのある感じ。
1992年はワタクシ、中学1年生でした。
マキハラ先生とは1991年12月31日に運命的な出会いを果たしました(一方的に●)
まだ出会って半年ですよ?どうですか?(どうですかって…苦笑)
好きになってから半年、付き合ってから半年、結婚してから半年…
おっと、すいませんどんどん妄想が暴走しておりますが●
 
 
一番いい時、、、 じゃないですか?
 
 
どんどんマキハラ先生に堕ちて行く感じ。
そんな時期にこのシングル「もう恋なんてしない」が発売となり、さらにB面「夏のスピード」。
 
 
もう溺れまくりましたよね(表現がちょっと…●)
 
もちろん、「もう恋なんてしない」も聴きました。
でもそれ以上に聴きましたB面「夏のスピード」、、、好きですっ!!
 
 
先にも書きましたが、、、アルバム未収録にしておくのは本当にもったいない!
それほど完成度の高い楽曲、埋もれてしまうのはもったいなさすぎる。
ということで、21年後に陽の目を浴びたことは喜ばしいことなのです…(どの立場で言っているのか●)
 
 
実はこの「夏のスピード」、
好きなマニアの皆様多いのではないですかね?
私の中ではBEST20には入ってきますよ (お前の話は聞いていない●)
A面の「もう恋なんてしない」は、割と日常的で具体的な歌詞運びですが、
こちらの「夏のスピード」に関しては、結構抽象的でグンとアダルティな感じなのです。
歌詞は後述するとしまして…
 
もう何と言っても、、、メロディ!!とアレンジ!!
 
 
 
最の高!!最高です!!
 
 
 
ノスタルジックさを感じるような笛の音。
好きとか言っておきながら「笛」という表現しかできない自分が情けないですが●
(「Such a Lovely Place」とかでも使われていますかね???)
短調チックに進むメロディの中に、どこか切なさと懐かしさと焦燥感漂う感じ。
ワタクシ、楽器や音のことはよく分かっておりませぬが、ケルト音楽に近いですよね?
後々のマキハラ先生に繋がるものだと思いますが、もう1992年のこの頃から礎はありそう。
 
というか、こういうメロディのマキハラ先生の曲の方が私は好きだ、というのもあります。
 
イントロとか最高じゃない?
このイントロだけ30回くらい繰り返してもいいわ、本当に。
何から何まで好物すぎる。
そしてマキハラ先生の声が今より低いですので、何だかドキドキするのです。
今のマキハラ先生の声で聴いてみたいなぁ!!頼みます!!マキハラ先生。。。涙
 
槇原敬之のメロディのみ選手権」があれば、自分的にはかなり上位に食い込むレベルで好きです。
ていうか「メロディのみ選手権」!!いいね!やりたい!!でも選べない!!泣
 
槇原敬之の歌詞のみ選手権」
槇原敬之のメロディのみ選手権」
槇原敬之の歌い方のみ選手権」
槇原敬之のエロスダダ漏れ腰砕け選手権」
槇原敬之の砂糖吐くほど甘々選手権」
 
などなど。
 
大変だ!こんなことしている場合ではない、選手権の準備をせねば!!爆
 
まぁ、冗談は置いておきまして。
それくらい好きなメロディなので、私的には物悲しさのある1曲ですがずっと聴いていられる。
間奏部分とかすごく切ないメロディなんですけどね、、、たまらんよね。
転調もしますけども、どうやらワタクシはマキハラ先生の転調が好きみたいですヨ。笑
そこまで流れていたメロディが転調で一気にガラリと表情を変えるのがたまらないのです。
 
ということで、歌詞ですが。
前述したように、私の初聴は中学1年生。
A面「もう恋なんてしない」は何となく男女のあれこれなど想像はできましたが、
こちらB面「夏のスピード」に関しては「何のこっちゃ分からん」状態でした。
でもメロディが好きだから聴く!!のループですね。
 
まぁ、あれから29年が経とうとしております。
私もそれなりに人生経験を積みましたものでね…
あの頃の自分よりは少しはこの曲の歌詞の意味が理解できるようになったかと。苦笑
 
 
 
夕立の後の空を 逃げるように流れる雲
僕等の明日も こんな風ならいい
抱きしめた僕の腕を 本当はほどきたいのに
じっとしてるのは 最後のガマンだろ?
 
さよならの場所を選ぶ 余裕さえない程
ぼくらなにを急いだの?!
 
切り出した”さよなら”は 君の小さな声
はじめに”ゴメン”と言ったのは 僕の声
夕暮れが遅すぎて 影を踏むのにもう疲れたあの夏の日の様に…
 
 
はねた水で濡れた スカートのすそ気にしながら
人の波に君が消えて行くよ
小さすぎる肩を 悲しいと思うのは
自分に向けた 最後の強がり
 
 
あれ程君に言われた 背中丸める癖
それさえ治せないまま
 
傷ついたふりをして 違って見える街を
楽しみながら 歩くような僕だけど
雑踏でもクラクションでも こめかみに残ってる
痛みさえも消してくれない
 
切り出した”さよなら”は 君の小さな声
はじめに”ゴメン”と言ったのは僕の声
夕暮れが遅すぎて 影を踏むのにもう疲れたあの夏の日の様に…
 
 
1コーラスから2コーラス→そして大サビ の流れで全部引用です(いつものやつ●)
 
ちょっとさ、、、今読んでも「難しい」です!マキハラ先生!!爆
紐解く鍵は、「夏のスピード」というタイトルに隠れていると思うんですよね。
 
あとはサビの繰り返しの部分。
 
「夕暮れが遅すぎて 影を踏むのにもう疲れたあの夏の日の様に」です。
 
ここです!ここ。
 
 
歌の季節的には、「夏の終わり」ですね。
もう秋に足を突っ込みかけているように私はイメージするのですが。
「僕」と「君」の別れの場面です。
どちらかと言うと、「僕」は恐らく「振られた」のでしょうね。
そして、僕は君の気持ちに気付いている、という状況。
1コーラスのAメロあたりは「だらん」と何だか雰囲気似ている感じですけどね。
 
自分が抱きしめても、そこから分かる体の緊張感で、
「君はもう僕に対しての気持ちがない」と悟る。。。もしくはその逆もありそう。
緊張感無しに、ただ時間だけが過ぎ去ればいいと身体が無気力で拒否している様子。
そういう感じが読み取れる歌い出しで、非常に歌詞的には切なさMAX!といった様相。
 
そして、
 
「夕立の後の空の速く流れていく雲」に、
「明日からの自分達の日常」を例えているのはさすがのマキハラ先生です。
二人の関係が今日で終わり、、、悲しい気持ちや切ない思いが早く過ぎ去って欲しいという思い。
それを、夏の夕立の後の雲の流れに例えるとは、、、いやはや相変わらずの才能でございます。
 
恐らく「君」と「僕」の思いの重さは違うと思うのです。
君の方が案外スッキリとしていて、僕はまだ少し未練がある…
そして後悔や、今までの君に対する自身の言動等。
この別れで、強がっているように見せかけて、精一杯自分を守っているのが、
2コーラス目のサビ部分で分かります。
 
でも、「雑踏でもクラクションでも こめかみに残ってる痛みさえも消してくれない」ですよ。
もしかしたら、君の気持ちがもう自分にはないということはずいぶん前から気付いていて、
僕なりに努力をしていたのかもしれない、、、まだ気持ちの譲歩の余地はあるのか。
 
1コーラスBメロで
「さよならの場所を選ぶ余裕さえない程」とあるので、
おそらく君の方が早く終わりにしたい、という雰囲気ですよね。
「僕ら何を急いだの」に関しては、まだ待って欲しいという僕の思いが読み取れそうです。
 
そこからのサビです、、、
最初に切り出したのはやはり「君」。
そこで僕は「もう何の手立てもない」、ある意味もうこの関係を修復するのは難しいと悟り
「今までゴメン」という意味の返答、なんでしょうね。。。
 
シリアスな場面ですけどね。。。
「君の小さな声」「僕の声」とか、このあたりの表現とかもゾクゾクしませんか?
 
そこからの
「夕暮れが遅すぎて 影を踏むのにもう疲れたあの夏の日の様に…」です。。。
 
これはどうなんでしょう?回想だとは思いますが、一体いつまで遡りますかね?
子供の頃に、遊び明け暮れたあの夏、なのか。
まだ君と僕が良い関係だった頃の夏、なのか。
 
どうなんでしょう?私は前者かなぁ、とも思います。
割とネガティブな歌詞だと思いますので、
二人の関係が良い状態だった頃のにもあまり例えられないような気もしますが。
 
まぁ、いつも言っていますが、
あくまで私個人的な意見ですので。
 
夕方になってくると徐々に影は伸びますよね。
影踏みのように、友人達と追いかけっこをする情景。
特に夏は日が長いので、それをずっと続けているとだんだんと疲れてくる。
「はぁ、もう疲れた、終わり」という感じでもう追いかけることをやめる子供。
そして帰路につく、、、そのイメージでしょうか。
 
僕はこれまで君の気持ちを取り戻すための努力をしてきたけども、、、
「もう無理なんだ…終わりなんだ」という焦燥感、、、そして君を追いかけることをやめる。
でもただ「諦める」ではなくて、めいいっぱいの手立てをしたけども、
結局君の気持ちは取り戻せなかった、、、という意味の「もう終わり…」
歌詞にもあります「疲れた」んですよね、僕は。
ただ「あれ程君に言われた背中を丸める癖」は治せなかった。
努力はしたけれども、その方向が君が思うところと異なっていたのかもしれませんよね。
 
それを夕暮れが遅すぎて影を踏むのにもう疲れたあの夏の様にと例えるマキハラ先生。
 
え?1992年?20代前半ですよね。。。
 
 
マジ天才じゃね?
 
 
しかも、タイトル「夏のスピード」、、、
歌い出しで「夕立の後の雲の流れの速さ」、でも最後は「夕暮れが遅すぎて」の例え。
そして最後に、人の波に消えていく君を見つめて立ち尽くしている僕。。。
そのスピードの違いがバラバラなんだけども、それが最後に立ちすくむ僕に対して、
君は去っていく、空の雲の流れは早い、、、でも日が暮れるのは遅い、そこに立ち止まる僕。
が表裏一体となっており、、、
 
このタイトルつけたマキハラ先生、マジ天才じゃね?(2回目●)
 
マキハラ先生の曲タイトルのネーミングセンスが深すぎる件について。。。
思わず悶えてしまうほどに。
あとは、終始歌い方が「気怠い」感じなのがとても良き!!(私にはそう聴こえる)
サビ部分なんかは、焦燥感や絶望感さえも声から聴きとれる感じですよ。
 
 
もうさぁ~、、、歌詞は悲しい別れの歌なんだけどね、中毒性バリバリ高いですよね。
そして、最初に書きましたが「夏の終わり」の雰囲気漂う感じ。
夏の歌だけど、夏に聴くと少し体感温度が下がることでしょうよ。
 
それを大寒間近の今聴くと、さらに寒々しいのかもしれませんが。
 
 
本当に、なぜアルバム収録されなかったのか???
完成度高すぎる、才能の垂れ流しだぞ!!もう好きすぎる1曲。
 
非マキハラ派の人々で、「もう恋なんてしない」をお手持ちの方!必聴ですっ!!
 
 
 
夏のスピード

夏のスピード

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